「絶望的に生活能力がない」という女性が世の中にいる。自分が生きるか死ぬかの瀬戸際にあっても、どのように生き残ればいいのか、まったく思いつかない女性だ。
現代の日本で、ごく普通の健常者が何をどうして生きていけばいいのか分からず、誰にも相談できず、そのまま餓死してしまうということがあるだろうか。
実は、そういったケースがあった。昔の話ではない。ごく最近の話だ。しかも、この女性は世の中を知らないと思われる10代の少女でも何でもなかった。彼女は1982年生まれだったので、2003年には31歳になっていた。
知的障害でも何でもない31歳のごく普通の女性が、まったく生活能力がなく、そのまま餓死に追いやられた。そんな信じられない事件があったのだ。
2013年10月頃、彼女は大阪市東淀川区の団地の一室で餓死していた。発見されたのは2013年11月18日なので、1ヶ月半から2ヶ月ほど、誰も彼女が死んだのを知らずに放置されていたことになる。