2014年10月31日、香港。真夜中の3時に、ひとりの男が警察に「人を殺した」と連絡を入れた。
場所は湾仔(ワンチャイ)地区の高級マンション、この男は29歳のイギリス人で、名前をルリク・ジャティングと言った。つい前日までバンク・オブ・アメリカの香港支店で証券トレーダーとして働いていた男だった。
警察が31階にある現場に駆けつけると、部屋の中は血まみれになっていて、リビングでアジア人女性が臀部や喉を切り裂かれた状態で発見された。
彼女は死んでいると思われたが、実はこの時点でまだかろうじて生きていたのだが、病院に運ばれたあとに死んだ。現場にはもうひとりの女性がいて、こちらは手足をロープで縛られて床に転がされていた。
さらにスーツケースの中からやはりアジア人と思われる女性の遺体も発見された。こちらは、女性の頭部がほぼ切り取られていた。凶器となった刃渡り30センチのナイフは現場にあり、ルリク・ジャティングは現行犯逮捕された。
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