タイやフィリピンの売春地帯で設置されているゴーゴーバーでは、ビキニや半裸の女性がポール(垂直の棒)を回転しながら踊り狂っているが、このスタイルはアメリカのストリップ・クラブが東南アジアに移植されたものだ。
このカウンターで、ポールを回転しながら踊るスタイルを「ポール・ダンス」と言うが、それは特に何か専門性が必要なわけではない。つまり、女性はダンスは踊れなくてもいい。
ただ、ポールにつかまって、セクシーなポーズを時折取れば、それが「ポール・ダンス」というものになるので、何か特別なスキルは必要なかったのだ。
男たちは「ダンス」を見に来ているのではなく、女性の身体を見に来ているのであって、売春地帯の目的からしたらダンスのうまい下手など、まったく何の意味もなかったのである。
しかし、このポール・ダンスは、やがて売春地帯から一般社会に波及していき、今やこれ自体がひとつの「ダンス」として注目されるようになっている。