ファッションの国フランス。自由の国フランス。誰もが恋愛に積極的な国フランス……。フランスは文化的にも歴史的にも豊かであるというイメージが強い。
部外者から見ると、フランス国民は誰もがそれなりに豊かに暮らしているはずだと思う。朝はフランスパンを食べて、夜にはワインを飲んで、哲学と愛を語りながら毎日を過ごす。それがフランス人の生活だと思う。
日本でもフランスを語る多くの書籍や雑誌が、そうした「フランスの豊かさ」を語るものばかりである。
ところが2015年6月、ユーロの統計企業ユーロスタットが出したデータによると、フランスの総人口である約6200万人のうち、686万人が貧困に落ちていると言われている。
この貧困層の多くが、失業者やワーキング・プアとその家族である。日本の生活保護と似た最低限所得保障制度の対象者も120万人以上が受給しており、それがさらに増え続けているという。
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