閲覧注意
貧しいというのは、日々の食料を手に入れることが難しいということ以外に、どんな病気になっても治療費が払えないので病院に行くことができないという大きな問題もある。
インドは貧困層が6億人以上もいる国であり、日々の暮らしに汲々として生き延びるだけでも大変な人が多い。
絶対貧困に堕ちている人たちが路上で寝ている姿はインドではどこにでもある。路上に住み着いて、路上のテントが恒久的な住まいになっている人すらもいる。
インド東部の大都市コルカタもそうした人たちの群れで溢れていて、私もまたそうした人たちと付き合ってきたことは、書籍『絶対貧困の光景』でも触れている。(『絶対貧困の光景』夢見ることを許されない女たち)
この中で路上で暮らし、物乞いをしながら生きている女性たちのひとりは10年前から「胃が痛い」と言い続け、10年ぶりに会ってもまだ「胃が痛い」と私に言って、彼女は何度も何度も胃を押さえて歩いていた。
インドではこうした貧しい人たちが病院に行くことはほとんどない。ケガをしたり病気になると、街角の薬局に行くのだが、その薬局が病院のような役割を果たしていて、薬やケガの簡単な応急措置をしている。
こういった薬屋には、手術が必要なのではないかと思うほど皮膚がぱっくりと割れているような事故に遭った子供たちが運ばれてきている。