アンダーグラウンドには、身体と性サービスを売りながら、日本を転々として回っている女たちがいる。今、私はこうした女たちを追いかけて話を聞いている。(アマゾン:野良犬の女たち ジャパン・ディープナイト)
女性は一ヶ所に定住する傾向があるのだが、風俗の女たちは意外に流れ者のように生きていたのである。
その理由は「身バレしたくない」「追い込んで稼ぎたい」「地元に働き場所がない」「諸般の事情で地元にいられなくなった」「旅行がてらに働きたい」とか、本当に多種多様だ。
関東出身の女性が、四国の松山市で働いたり、沖縄の女性が尼崎で働いたり、逆に関西の女性が東京で働いたりする。ソープランドで働く女性たちは店を転々と変えるのだが、こうした女性たちに話を聞くと必ず出てくる地名がある。
それは「東の吉原、西の福原」である。
福原とは「兵庫県神戸市兵庫区」の福原だ。宇都宮に出稼ぎに行っていた女性も「福原のソープで働いたことがある」と私に言った。(ブラックアジア:死にたくなって宇都宮。東京を離れた20歳の風俗嬢は生き残れるか(1))
こうした女性たちの話を聞くうちに、私も神戸・福原を実際に見ておこうという気持ちになった。女たちがどんな街で働いているのか、神戸をぶらぶらと歩くついでに、福原も歩いてみてきた。神戸は、こんなところだった。