インドのアーンドラ・プラデーシュ州はインド大陸の南東部にあってテルグ語を話す人々が住んでいる。
この州はインド屈指のIT産業の地ハイデラバードのある州として知られているのだが、2014年にこのハイデラバードを含むテランガナ地区が独立して新しい州になった。
なぜこの地区は独立したかったのか。それはアーンドラ・プラデーシュ州のほとんどは農業が主体の貧乏州であり、ハイデラバードは完全に異質だったからだ。
逆に言えば、世界を代表するハイデラバードは「古いインド」を捨てたかった。この話は5年近く紛糾して揉めに揉めたが、2014年に州としての独立が実現した。
そして、アーンドラ・プラデーシュ州は見捨てられた。
干魃に苦しみ、収入を得る手段を失った農村に住む女性たちは、夫に売られ、仕事斡旋業者に騙されて、「ムンバイに仕事がある。コルカタに仕事がある」と甘言で釣られて次々と州を出て都会に消えていった。
彼女たちはどこに消えたのか。それが、ムンバイのカマティプラであり、コルカタのソナガチであった。人身売買は今でもインド最大の「闇」となってそこに存在している。この闇は凄まじい貧困が生み出したものだ。