ロシア人とアメリカ人は、実はあまり仲が良くないことで知られているのだが、その理由は文化的な相違から来ていると言われている。
アメリカ人は誰とでも気軽に挨拶して知らない者同士でよく笑い合うのだが、ロシア人はまるっきり逆で用もないのに笑っている人間を見ると「馬鹿なのか?」と考える。
だからアメリカ人にしてみれば、挨拶してもまったく無表情で親愛の情を見せないロシア人が得体の知れない薄気味悪い民族に思えて反発を感じる。
一方でロシア人からしてみれば、友人でも知り合いでも何でもないのに、ニヤニヤと笑いながら馴れ馴れしく話しかけてくるアメリカ人に薄気味悪く感じて腹立たしく思う。
ロシア人が知らない人間に対して笑わないのは有名で、ウエイトレスも店員も客に愛想笑いすることはほとんどない。
仕事をしている時に笑うというのは、ロシア人からすると真面目に仕事に打ち込んでいないということを意味している。真剣に仕事をしている場面で笑みを浮かべるというのは、ロシア人の「常識」に反していることなのである。
実はこの傾向はウクライナ、ラトビア、ルーマニア、セルビア等の東欧の人々にも受け継がれていて、個人的な差異はあるとしても、文化的には「他人に笑みを向けない」のが普通になっている。