10年前に投稿をもらったのですが、当時は諸般の事情で掲載できなかった投稿があります。これをブラックアジアに掲載したいと思います。舞台は1990年代後半のスワイパーです。
もうすでにスワイパーは、あの時代の「歓喜」と「狂気」を示す闇の歴史になってしまっているのですが、今でもあのスワイパーを経験した男たちは、あの時代を忘れていません。
スワイパーは1990年代後半を象徴する最強の売春地帯であったと言えます。このスワイパーで、ひとりの娘に惹かれた日本人の手記が以下のものです。読んでいて、私も懐かしい気持ちになりました。(鈴木傾城)
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(以下、投稿)
私は当初、バックパッカ―でした。『深夜特急』を読んでインド貧乏旅行をし、20歳のとき初めて訪タイしました。また猿岩石というお笑いコンビが仕掛けた流行に釣られた感があります。
自然の流れでカオサン通りで知り合った、悪所通いをしていた若者と意気投合して歓楽街を知った次第です。バイトに励んでは大学が春休み、夏休みになると訪タイしていました。
そしてWindows95が発売されると、ネット上で「幻の国」という情報を知ったのです。当時、ある国家試験を僅差で落ちた夏でした。
まわりが内定をもらう中で、私は人生でわりときつい挫折にうちひしがれていたのですが、好奇心に湧きたてられてカンボジア・プノンペンに行きました。90年代後半のある年9月から3カ月です。