東南アジアの歓楽街は、まったく忖度のない世界だった。男は欲望のまま、自分の好きなタイプの女性に突進する。ただ、ほとんどの男は、その「好きなタイプ」というのは判で押したように決まっていて、99%は誰が見ても美しいと思う女性が「好きなタイプ」なのだ。
そのため、美しい女性は引く手あまたとなってプレミアがつき、そうではない女性は相手にされないので、どんどんディスカウント価格になる。ディスカウントしても、誰からも相手にされないことも多い。それが歓楽街の光景だ。
歓楽街において、美しい女性がいかに有利であるかは誰でも知っている。昔から今も、それは変わっていない。
江戸時代の吉原遊廓でも、容姿が際立った女性が高級遊女として扱われ、一般の遊女とは比較にならないほどの報酬を得ていた。現代のキャバクラやガールズバーなども、美しい女性が指名を多く獲得し、結果として収入も高くなる。
東京の繁華街で働くホステスの年収を調べると、トップ層の女性は年収1,000万円を超えるケースが少なくない。この背景には、単なる容姿だけではなく、服装や化粧、接客術に至るまでの自己プロデュースが含まれる。だが、第一印象としての美しさがカギを握ることは否定できない。
つまり、美しさは女性の武器であり、美しい女性は得する。
外見が優れていると、外見で得するだけでなく「ハロー効果」という現象によって、性格や能力まで優れていると思われることもあって二重にも三重にも得をする。
「ハロー効果」とは、ある対象を評価する際に、その一部の際立った特徴に引きずられて、全体をゆがめて評価してしまう心理現象を指す。つまり、外見が美しければ、内面も美しい、才能もあると、「勝手に」良い方向に解釈されるのだ。
夜の世界において、美しい女性は単に男の目を引くだけでなく、ほかの面でも好印象を与えやすい。これが結果として経済的な恩恵に結びつく。「美しい女性は得する」というのは、ほとんどの人が事実と認めるだろう。