◆行方不明者という出来事。自分が行方不明になるのは私にとっては甘美なこと

◆行方不明者という出来事。自分が行方不明になるのは私にとっては甘美なこと

日本で行方不明者の統計を見ていると、面白いことが分かる。2020年の統計で言うと、行方不明者で最も多いのは10代・20代である。彼らはなぜ「行方不明者」になるのか。国外で言うと犯罪に巻き込まれた確率が高いと誰もが考えるのだが、日本の場合はやや事情が違う。

日本では10代・20代の行方不明の原因は「家出」が最も大きな理由であり、家出の原因は家庭環境にある。

子供に対して激しいアプローチで接する親が一部にいて、こうした親は「毒親」とも言われるようになっているのだが、10代・20代の若年層はこうした毒親から逃れて消えていき行方不明になる。

すべてを捨てて親から逃れたら幸せになるわけではない。逃れた先では正当な手段で働くことができないので、社会の底辺をさまよいながらハードな生き方を余儀なくされてしまう確率が高まる。

それこそ、10代・20代の女性であれば水商売や風俗や売春やアダルトビデオのような世界に絡み取られる可能性も高いし、男性であれば半グレや暴力団に関わっていくことになってしまうだろう。

しかし、そういう過酷な世界を這い回ることになったとしても、毒親と一緒にいたくないと思う若者がいるわけで、彼らが行方不明になっていくのである。暗い現実であると言える。

ところで、この10代・20代と並ぶほどの人数で行方不明になっているのが70代・80代の高齢層である。理由はもちろん「認知症」だ。ふと家から離れ、自分の家も名前も分からなくなり、どこかで野垂れ死にするか、身元不明で保護施設に入れられる。

そういう人たちが年間2万人以上もいるのである。

ところで、この統計データの高齢者の行方不明者のところをじっと見ていて、私はふ思うことがあった。確かに70代・80代の高齢層のほぼ99%は認知症による行方不明だろう。しかし……

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