◆極悪夫婦に598回に渡って売春を強制されていた女性はなぜ逃げなかったのか?

◆極悪夫婦に598回に渡って売春を強制されていた女性はなぜ逃げなかったのか?

2022年3月1日、東京都板橋区双葉町である夫婦が逮捕されている。嵩原優力《たけはら・ゆうき》という夫と、嵩原ゆき乃という妻だ。この2人は、自宅の都営アパートの一室に26歳のシングルマザーの女性を住まわせ、彼女に恫喝と洗脳を加えながら598回にわたって売春させたのだという。

都営アパートにまったく他人の26歳の女性を住まわせる夫婦というのも奇妙だが、598回にわたって売春を「強要」されながらも逃れようともしなかったシングルマザーもまた奇妙だ。

いったい何があったのだろうか……。

この26歳の女性は赤ん坊を抱えたシングルマザーだったのだが、インターネットで育児の悩みなどを相談しているうちに、嵩原ゆき乃とSNSでやり取りをするようになっていった。

赤ん坊を抱えて収入もなく、家賃も払えなくなってしまうことを彼女が嵩原ゆき乃に相談したら、嵩原ゆき乃は「行くところがないのなら、うちに来ればいい。働いている間は子供の面倒も見るから」と彼女に声をかけたという。

そして、この26歳の女性は、都営アパートの一室に転がり込むことになる。

一ヶ月数万円でしかない安い団地なのだから、それほど広い居室ではないと思われる。そこにインターネットで知り合った「赤の他人」を住まわせるのだから、なかなか普通ではない発想ではある。

当時23歳だった女性からしたら、それは優しさのように見えたかもしれないが、現実はそんな甘くなかった。彼女の地獄はここからだったのだ……。

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