2012年11月14日。タイ・バンコクで母子家庭のある女性がアパートの自室で死亡していた。病気による自然死だと思われるのだが、ベッドの上で普段着を着たまま息絶えた。
彼女には3歳の娘がいた。ベッドの上で急死したとき、そばにその3歳の娘がいた。
しかし、3歳の娘は母親の「死」を理解できず、3日間、母親の死体と一緒に暮らしていたところを発見された。
3歳のその娘は、お腹がすくたびに冷蔵庫の中から何かを食べて、すぐに死んだ母親の元に戻って一緒のベッドに寝ていたという。
エアコンは点いたままだったが、すでに3日目には母親から腐臭が漂い、3歳のこの娘の服も母親の吐血した血で汚れていた。それでも、母親が死んだという「概念」が理解できなかったようだ。
この痛ましい小さな事件を目にして、ふと人は何歳から「死」の意味が分かるようになるのだろうかと考えた。