今から1000年ほど前、ちょうどインドで大勢力を誇っていたのがチョーラ帝国(チョーラ朝)だった。
最盛期のチョーラ帝国は現在のインド・ベンガル州からバングラデシュを抜け、東南アジア南部、あげくにインドネシアまでを含む大帝国だった。
そして、インドのみならずアジア一帯のあちこちに石窟寺院を残している。
こういった寺院には非常に多彩で複雑な彫刻が施されているが、そこに描かれている女性が、「デバダシ(Devadasi)」である。
チョーラ帝国の時代、寺院で信者ややってくる人々に踊りや歌やサービスを提供する女性たちがいた。
彼女たちが「デバダシ」と言われる存在であり、初期は恐らく崇高で崇められる女性たちであったと思われる。
若干ニュアンスは違うが、日本の巫女(みこ)を想像すれば、彼女たちの存在は分かりやすいかもしれない。