ロシアは、ひとつの社会問題があって、ひとつの社会問題がないと言われている。
誰もが知っている通り、ロシアで最も大きな社会問題は、アルコールだ。
ロシア(および旧ソ連圏)の男たちのアルコール好きは世界でも突出していて、2011年のWHO(世界保健機関)の調査でも、旧ソ連圏がアルコール消費量が突出している。
そして、このアルコールによって、「もうひとつの社会問題」が消える。それは年金問題だ。
ロシアの男たちはみんなアルコールで早死にしてしまい、平均寿命はわずか60歳なのである。だから、年金を支給する前に死んでしまうので、年金問題がないのだという。
それほどロシアではアルコールが社会の隅々に行き渡っている。さらに、ロシアで飲まれているアルコールは、ビールのようなアルコール度数の低いものではなく、ウォッカのようなものだ。それがより問題を深刻化している。