今、先進国だろうが途上だろうが、すべての人間はスマートフォンを持っている。そして、ほとんどの男女は「WhatsApp」やら「Messenger」やら「LINE」等のチャットアプリを使っている。
タイの場合は、とにかく「FaceBook Messenger」や「LINE」が多く使われ、シンガポールやマレーシアでは「WhatsAPP」が使われている。フィリピンも「FaceBook Messenger」が主流のようだ。
過去の売春地帯と今の売春地帯が大きく様変わりしている点があるとしたら、出会った相手とは「自分が望むだけスマートフォンのチャットアプリで連絡を取れるようになった」という点だろうか……。
つまり、かつては一期一会であったのだが、今はそうではないということだ。刹那的に出会った相手とも、お互いのチャットアプリで相手が登録できていれば、毎日でも、毎月でも、それこそ数年後にでも連絡ができる。
相手が電話番号や登録内容を変えていなければ、長らく連絡していなくても思い立てばいつでも連絡できる状態になる。
すでに時代が変わっているのだ。かつてのような「完全なる一期一会」は、テクノロジーが消し去ったのだ。
もっとも、今の時代でも頑なにチャットアプリを使わず、携帯電話の番号も教えず、教えても数年ごとに意図的に電話番号を変えてしまう私のような人間もいるので、誰とでも「切れない」わけではない。
しかし、相手と「切れにくい」時代になったのは確かだ。