途上国で体調を崩して激しい下痢に見舞われる人は多い。私がインタビューしたある女性は、タイで激しい下痢に見舞われ、一日トイレから出ることができなかったと言った。
激しい下痢は何らかの危険な細菌やウイルスが体内に入ったと考えて間違いない。下痢を発症させる菌の中で、最も一般的で、強烈で、危険なものは「コレラ」である。
コレラは経口感染だ。コレラ菌の入った水、あるいはコレラ菌の混じった食料を採ると、誰でも容易に感染する。
つまり、コレラが蔓延している汚染地帯にいると、あなたもコレラに罹る可能性がある。マラリアもコレラも昔からある病気だが、根絶されていない。
現在、世界の至る所でコレラが発生している。ここ1ヶ月でも、アフガニスタン、アフリカのコンゴ、ケニアでコレラ発生を確認することができる。
そして、2010年にコレラ大発生を経験したハイチも、いまだにコレラが蔓延しているとも言われている。5年前に起きた大地震でハイチはまだ復旧できていない。そして、今もまだコレラ禍に苦しんでいる。