「民族浄化」という言葉がある。”ethnic cleansing”(エスニック・クレンジング)と英語では言われるものだ。
「浄化」とは「汚れを取り除いて清潔にすること」という意味であることを考えると、この言葉の持つ意味がとても凄まじいものであることが分かる。
ある民族を「汚れている」と断定し、その民族の汚れを取り除いて清潔にしてやる、というのが「民族浄化」なのである。どうやって、浄化するのか。基本的にはこうだ。
「男を殺し、女をレイプして子供を産ます」
そうすることによって、汚れた民族を「自分たちのきれいな血」に入れ替えることができるということだ。それを「民族浄化」という言葉で表現しているのである。
1990年代のボスニア・ヘルツェゴビナ紛争で、セルビア人を徹底批判するためにアルバニア人等のイスラム教徒が「自分たちは民族浄化されている」と国際世論に徹底的に訴えたのがこの言葉の始まりとなった。