貧困の女性はすべてが身体を売るわけではない。貧困でも身体を売らずに生きている女性はいくらでもいる。安いところに住み、節約し、我慢し、工夫してやりくりすればギリギリのところで生きていける。
しかし、「払えないカネ」があればそうはいかない。
期限が定められているので、我慢すればやり過ごすということができない。何が何でも期限までにカネを作らなければならず、そのために高収入のアルバイトか何かを探すしかない。
今、若い女性の多くはインターネットで「高収入のアルバイト」を探す。そうすると必ず辿り着くのが風俗の仕事だ。採用率90%だとか、完全日払いだとか、身バレ対策万全だとか、カネが必要な女性を呼び込むシステムが完成されている。
面接に行ったら早ければその日から即採用になって、「体験入店」を通して、それこそ当日にカネが入る。風俗はすべて「日払い制」なので手っ取り早いのだ。それも昼職の2倍から3倍の日給が数時間で転がり込む。
「払えないカネ」がある女性は、かくして風俗に取り込まれる。決断して、電話して、面接したら、一瞬で表から裏に生活が反転するのである。