22歳の中国女性、阿丽(アリー)は遼寧省出身の女性だったが、彼女が中学生を卒業する頃、両親が離婚してどちらの親にも捨てられた。
彼女は家出して、それ以降は一度も家に戻っていない。
彼女はやがてストリートで売春するようになり、享楽的な生活に堕ちた後、売春を取り仕切るボスに「アイス」と呼ばれる薬を教えられた。
「アイス」をするとたちまち身体はエネルギーでみなぎっていき、彼女はこんなに素晴らしい薬が世の中にあるのかと驚嘆して、のめり込んで行った。
どんなに疲れていても、アイスさえ取ればその疲れは急激に消えていった。睡眠時間さえ必要なかった。もうそれは彼女にはなくてはならないものだった。
しかし、アイスとは「冷毒」であった。それはアンフェタミン(覚醒剤)と呼ばれる危険な薬であり、違法であり、深い依存症を引き起こすものだった。
アリーは途中でアイスの危険性に気付いたが、その時はもうすでに遅かった。アイスなしでは生きていけない身体になってしまっていたのである。