私たちは貧困のどん底にある人たちが、様々な行政の支援やNPO団体の支援で生活を立て直せたという話をよく聞く。あるいは、犯罪を犯した人たちが更生の支援団体の手によって更生したという話もよく聞く。
そして、ドラッグに溺れた人たちが社会復帰を支援するグループの手によって再び普通の日常生活を送れるようになったという話もよく聞く。
しかし、こうした話を「よく聞く」とは言っても、貧困層や犯罪者やドラッグ依存者は常に行政や支援団体によって手取り足取り更生させてもらえるわけではない。
そして、堕ちた人間の誰もが支援を望んでいるわけではないし、支援されても更生に成功するわけではない。行政や支援団体が対処できる人数は限られており、さらに更生に成功できる人もまた限られている。
「堕ちて救われて更生した」という絵に書いた美談は、それが少数サンプルだから美談になる。
あまり知られていないが、貧困層の大部分は行政や支援団体の救済を嫌がる。犯罪者は表社会で孤立しているが助けを求めず、もっと犯罪に染まる。ドラッグ依存者は救済されるよりも、もっと享楽に溺れる方を望む。
なぜ、そんなことになるのか。