イラクの少数派であるヤジディー教の女性は、イラク一帯がイスラムの狂信的過激派集団であるISIS(イスラム国)に蹂躙されるようになった2014年以後から急激に危険な環境に堕ちていくことになった。
イスラム教徒ではないヤジディー教徒たちは殺戮の対象となり、女性たちは性奴隷として転売されるようになった。
ラミヤ・アジ・バシャールもそんな女性のひとりだ。彼女はISISの兵士に家族と共に捕まえられ、両親と男兄弟を殺されて彼女自身は「売り物」になった。
彼女は性奴隷として4度も転売され、地獄のような境遇から脱出を試みては捕まって連れ戻され、虐待や拷問を受けていた。時には1つの部屋で40人近くの男にレイプされるような目にも遭ったという。
ある時は脱出して連れ戻されて、罰として両足を切断する刑に処せられそうになったこともあった。このときは別の戦闘員が彼女を買ったので、彼女は切断されずに済んだ。
それでも彼女は仲間と再び脱出を計画して必死で戦場下を逃げたのだが、知らずに地雷原に入り込み、彼女の前を歩いていた2人の少女が地雷を踏んで爆死し、後ろを歩いていた彼女も大怪我を負うことになった。