2005年から発売開始され、たった1年で100万個を売り上げ、その後もあって激しい勢いで売り上げを伸ばして2017年には5200万個が発売されたという性具がある。
TENGA(テンガ)と呼ばれるものだ。ペニスをこの筒状になった性具を使って刺激し射精をする。
普通、こうした性具は繁華街の片隅にあるいかがわしい店で陰に隠れて買う粗悪品がほとんどであり、話題にあることもなければメディアに取り上げられることもない。
しかし、テンガはシンプルで上品なデザインになっており、質も追求されて、若者に爆発的人気となった。さらに2013年にはこのコンセプトで女性ものの性具が発売されて、売り出された時は圧倒的な人気でサーバーがダウンするほどの需要に見舞われた。
日本の若年層の意識はセックスではなく、進化したマスターベーションに向いていることが、こうした性具の爆発的流行で見えてくる。これに絡んで、若年層から次のような主旨のことを言われたことがある。
「今はAV(アダルトビデオ)や成人向けのゲームやバーチャル・リアリティのような進化があって、女性の膣よりも高性能な感覚を与えてくれるテンガのようなものも揃っている。それなら、リアルな女性と付き合ったりセックスをしたりするのは合理的ではないと思いませんか?」
これについて、私はこのように答えた。