もし、売春する女性の2人に1人はHIVキャリアだと分かっていたら、あなたはその気になるだろうか。南アフリカでは「公式」には、売春ビジネスをしている女性の45%がHIVキャリアである。
しかし、実際にはもぐりで売春をやっている女性が多くいて、これらの女性はまったくデータとして把握されていない。
実は、その把握されていない女性のほうがHIV感染率が高いことが知られている。彼女たちを含めれば、南アフリカのHIVキャリアを持つ売春女性は、60%を超えるのではないかと予測されている。
ところで、なぜ「もぐりでやっている女性」が把握できないのか。それは彼女たちが自国民ではなく、密入国でやってきている女性たちだからである。
住所は不定、あっても不法占拠されたスラムだ。
しかも短期間で場所を移動して南アフリカの首都ヨハネスブルグから南のポート・エリザベス、あるいはケープタウンをさまよいながら売春して、やがてジンバブエに戻っていく。