母親と乳児の一体感は、男たちには窺い知れないほど強いものがある。
確かに母親と子供は身体も心もまったく別の人であるのは間違いない事実だが、子供が産まれてから乳離れするまでの間は、本当に子供と母親は一心同体と言ってもいいほどの結びつきとなっている。
乳児は産まれてから、ある程度成長するまで、歩くこともできず、ひとりで食べることもできない。ずっと母親が面倒をみなければ、たちまちのうちに死んでしまう。
つまり、母親は付きっきりで乳児と一緒にいなければならないわけであり、それが母親と乳児の一体感を生み出す。
この時期、赤ん坊はずっと母親の母乳を飲んで成長していく。この母乳というのは、母親が体内で生み出す「体液」であり、赤ん坊は無条件にそれを受け入れて飲み尽くす。
母親と赤ん坊の絆は、母乳という「体液」によってつながっているという観察をすることもできる。