世界は暴力で満ち溢れているが、その暴力は暴力団やマフィアやチンピラだけが行使しているわけではない。一般人もまた何かあれば暴力行為に参加する。
それが一番よく分かるのが「モブ・ジャスティス」だ。
日本人は泥棒が現場で逮捕されても、泥棒にも人権があると思うのか、よってたかって泥棒を暴力で叩きのめすような行為はない。泣いて謝れば許されるような、そんな雰囲気すらある。
警察に連絡すればきちんと逮捕してくれて、裁判で裁いてくれる。つまり、自分が手を下さなくても法がきちんと泥棒を処罰してくれる。
そして、泥棒もまた逮捕されても、自分を守ってくれる人権派の弁護士が付いて自分の身が暴力で脅かされることもない。
しかし、日本を一歩出れば、そんな生やさしい対応ではすまなくなる。
法が機能していない国になればなるほど、泥棒はその場で制裁されるのだ。まわりの人間が、よってたかって悪人を叩きのめしていく。それを「モブ・ジャスティス」という。