先進国の人々の間ではダイエットが流行している。人々は「食べ過ぎた」と言って、スポーツクラブか何かで金を払って運動しに行く。食べながら、痩せたいと願っている。
痩せたければ食べなければいいのだが、食べるのを我慢するのはつらいので、食べながら痩せたいと願う。
これは皮肉な現象なのだが、先進国ではそれが皮肉だとは誰も思わないほど当たり前の光景になっている。
「食べないのはつらい」というのは、人間であれば誰もが知っている事実である。しかし、先進国は普通の生活をしていれば、飢えることはなくなったので、逆に痩せることが重要視されるようになった。
しかし、途上国ではそうではない。
国連の機関である国連食糧農業機関が2012年に発表したデータ「世界の食料不安の現状2012」によると、世界の飢餓人口は、約8.7億人、あるいは世界人口の8人に1人が飢餓の状況にあるという。