シンガポール編
シンガポールは清潔で、快適で、人々は賢明で、欠点のない素晴らしい社会というイメージが日本人にあるかもしれない。
しかし、「ゲイラン」という売春地帯から逆にシンガポールを眺めると、それは日本人が勝手に作り上げた幻想的なイメージなのかもしれないとも思う。
私はエリートではないので、シンガポールのエリートがどのような生活をしているのか知らないし関心もない。私が関心を持っているのは、ストリート売春をする女たちと、そこに群がる男たちのことだけだ。
彼らの目から、シンガポールという国を俯瞰したとき、果たしてどうなのか。
この国は本当に一般的な日本人のイメージと合っているのかどうかと言われれば、恐らく「まったく違っている」のではないかと考えている。
シンガポールには、ホームレスがいない。ゲイラン地区ですら、たったひとりのホームレスも存在しない。なぜなのか分かるだろうか。もちろん、この国が豊かだからではない。