日本の約7倍の広大な面積を持ち、世界でも9番目に大きな国であると認定されていながら、それがどこにあるのか誰も知らないという奇妙な国がある。カザフスタンである。
国がどこにあるのか知られていないのだから、いったいそこにどんな人たちが住んでいるのかも知られていない。
なぜこの国が知られていないのか。もちろん、国として大した力がないからである。
この国は、かつてはモンゴルに占領されてモンゴル帝国の一部となっていた。その後はソビエト社会主義共和国の支配下に入って1991年まで「ソ連」の一部だった。
1991年にはやっと独立したものの、貧困が解消できずにいまだに歴史に埋もれている。だから、国境を接している国でもない限り、誰もこの国のことを想うこともないし、恐らく行くこともないはずだ。
首都はアスタナ、言語はカザフ語である。もちろん、それがどんなものか、誰も知らない。