インド人はインド料理が好きで、タイ人はタイ料理が好きで、日本人は日本料理が好きだ。アメリカ人はアメリカ料理が好きで、メキシコ人はメキシコ料理が好きだ。
大人になって日本人なのにインド料理を好んだり、タイ料理を好んだりするような嗜好の変化は起き得るのだが、一般的には味覚は「子供の頃に決まる」と言われている。
子供の頃に好きだった食べ物は、一生それが好きなのだ。
これは、アメリカのペンシルベニア大学のモネル化学感覚研究所やドイツの予防疫学研究所が発表した科学的なデータからも証明されている。
2歳の頃から12歳頃まで食べていたものを人間の脳は覚えており、そのときに作られた「味覚」がその後の人生の味覚を決めるのだという。
食べ物の嗜好は子供の頃に完成する。だから、人は大人になっても「お母さんの味」が忘れられない。それが、その人の味覚の原点になる。