2016年8月6日より、リオデジャネイロでオリンピックが開催されるのだが、ブラジルの政治的混乱、リオの治安問題、大会の建設遅れや杜撰工事など、様々な問題をはらんでのスタートとなる。
そして、大会前から大きく問題になっていたのは、ロシアの「ドーピング問題」である。
オリンピックは、もはやナチュラルな大会ではなくなっているといわれている。体力や筋力を増強させるための各種薬物が違法に蔓延する魑魅魍魎の世界なのだ。
その中でも特に組織的にドーピングを行っているのがロシアであり、中国である。ロシアはドーピングで出場者387人のうち、114人が出場停止になるという状況で、それが国家ぐるみであることは明白だ。
陸上選手も「オキサンドロロン」という筋肉増強剤を恒常的に飲んでいることを、ユリア・ステパノワという女性選手が告発している。「誰もがそれを使っていた」と彼女は言う。
筋肉増強剤は「ステロイド」の一種だ。ステロイドは筋肉を凄まじく発達させ、女性にも男性並みの筋肉を付けさせる効用がある。女性の肉体を、男性化させるのである。それは競技には有利だが、女性としての肉体は破壊される。