東京で風俗や水商売がひしめく猥雑でいかがわしい歓楽街と言えば「新宿・歌舞伎町」がすぐに思い浮かぶ。しかし、もちろん東京の歓楽街は歌舞伎町だけでなく、池袋も渋谷も銀座も歓楽街と言えば歓楽街だろう。
他にもソープランドが立ち並ぶ吉原だとか、ホテル街のある新大久保だとか鶯谷だとか、特色のある街が点在している。
大阪もまったく同じなのだが、猥雑さから言うと東京よりも大阪の方がはるかにディープで面白い。
大阪の歓楽街と言えば、兎我野町(とがのちょう)、北新地、宗右衛門町(そうえもんちょう)、心斎橋、難波、十三のいずれかになるのだろう。そのどれもが大阪では知らない者はいない地域である。
東京の吉原に当たるところは、大阪では飛田新地になる。飛田新地は本当に「今でもこんなところが残っているのか」と感嘆してしまうほど見事な「ちょんの間」地帯だ。
こうした「ちょんの間」は「松島新地」「信太山新地」とあるのだが、気が付けば、私はその3つのすべての新地を歩いている。大阪は本当に飽きない。
こうした話をしていると、十三(じゅうそう)という場所も、かつては大阪を代表する凄まじい性風俗街だったというのを教えてくれる人がいた。