オーストラリア・メルボルンで暮らしていたインド人夫婦がいた。夫はパリミンデル・シン、妻はニキータ・チャウラと言った。
ニキータはボリウッド式のダンスをオーストラリアで教える仕事をしているダンサーで、夫のシンはそんな彼女に一目惚れして交際10ヶ月で結婚した。
結婚してもニキータ・チャウラはダンサーの仕事を辞めなかった。彼女はボリウッドでダンスの振付師になるという夢を持っており、自分のダンス・スタジオで生徒たちにボリウッド・ダンスを教えながら有意義な時間を過ごしていた。
しかし、夫のシンは次第に働かなくなり、酒浸りになり、妻ニキータに家庭内暴力を振るうようになった。
シンはアルコールの依存を断ち切るために、いったんインドに帰ったのだが、しばらくしてメルボルンに戻ったとき、妻が浮気していたのではないかという「根拠のない疑念」から逃れられなくなった。
その妄想が止められなくなったシンは妻に暴言を吐いたり、殴ったりするだけで収まらず、やがて妻が出かけるのを止めるべく、究極の実力行使に出た。
妻ニキータ・チャウラを肉切り包丁で刺し、遺体の一部を微塵切りにしたのだった。