野良犬の女たち

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◆身体中にタトゥーがあり、ピアスも14個いれた癒やし系デリヘル嬢(2)

彼女は光の具合では、ほとんどシルバーに見えるほどの明るい金髪をしており、眉にも、唇にも、耳たぶにもピアスが入っている。着ているものも、凄まじく派手だ。顔立ちも少し不思議な雰囲気があった。 一見するとごく普通の日本人女性の顔立ちなのだが、細部を見るとどこか作られたような人工的な感じがする。整形なのかと思ったが、整形と感じさせるほど誇張された部位があるわけでもない。 何だろうか。もしかしたら、化粧が普 […]

◆身体中にタトゥーがあり、ピアスも14個いれた癒やし系デリヘル嬢(1)

野良犬の女たち 私が初めて眉にピアスをした女性を見たのは、タイの売春地帯だったのか、それともシンガポールの売春地帯だったのか、どちらが先だったのか覚えていない。ただ、ピアスをした女性のひとりは鮮明に覚えている。 彼女は、シンガポールの売春地帯にいたインドネシアの女性だった。眉の左側にピアスが入っていた。そんなところにピアスが入った女性は見たことがなかったので、私はとても彼女のことを印象深く思った。 […]

◆白い膜を顔に張り付けたような女(2)コミュニケーションが取れない

野良犬の女たち 自分の境遇をうまく説明して話ができる人もいる。しかし、自分の身に何が起きているのかを順序立てて話せない人もいる。対人関係が苦手で、コミュニケーションがうまく取れないというのは不幸なことだ。 私の目の前にいた女性は、まさにその典型だったと言えるかもしれない。 うまく話せない。うまく説明できない。恐怖ですくみ上がり、やるべきことが何もできない。普段の彼女がどんな風なのかは分からないのだ […]

◆白い膜を顔に張り付けたような女(1)彼女は小刻みに震えていた

野良犬の女たち 雨が止まない。3月に入って少しは暖かくなってきたのかと思ったが、再び冷たい空気が戻ってきて傘をさして歩く人々も不機嫌に見えた。そんな中、私もまた雨にうんざりする人々の中に紛れ込み、新宿東口から久しぶりの歌舞伎町に入った。 雨だというのに、中国から来た観光客は相変わらず精力的で、キャリーバッグを転がしながら歌舞伎町を行き来している。その脇を大きなカバンを持って奥へ奥へと歩いている若い […]

◆那覇の夜(3)ハーフの女性がくるはずだったが、そうではなかった?

沖縄県の知事、玉城デニーはアメリカ軍海兵隊の父と沖縄女性のハーフだ。しかし、アメリカ人の父親は本国に帰ってしまって、デニー氏は母子家庭で育ったと告白している。 本名は玉城康裕(やすひろ)。元々は「デニス」という名前が本名で、アメリカに行かないことが決まった時点で母親が日本語風の名前に改名した。 沖縄にはこうした日米ハーフの人々が大勢いるとされている。 これは何も沖縄だけの話ではなく、基地問題を抱え […]

◆那覇の夜(2)栄町のストリート売春と辻のソープランド嬢のこと

沖縄には「栄町」と呼ばれる地区がある。沖縄都市モノレール「ゆいレール」の安里(あさと)駅を降りるとすぐそこに「りうぼう」という奇妙な名前のスーパーがあるのだが、その裏側が飲み屋街、屋台街になっている。 夜の8時過ぎ、ゆいレールに乗って安里に向かい、そこで降りる。那覇の中心街は近代的なビルが結構立ち並んでいるのだが、この安里駅近辺はまるで昭和の時代から取り残されたような光景が広がっている。 ゆっくり […]

◆那覇の夜。沖縄の風俗が抱えている「出稼ぎ風俗嬢」の三つのタイプ

普通の仕事を求める沖縄の若い男女も内地(沖縄県以外の都道府県のこと)で働くことを考える。同時に、風俗で働くことを考える沖縄の女たちもまた多くが県外に出で行く。 理由は単純で、県外の方が仕事があるし稼げるからだ。それだけではなく、沖縄は狭い世界なので風俗で働いていると「身バレ」もしやすい。総合的に考えると、内地で働く方が圧倒的に環境が良い。そのため、沖縄の夜の女たちは「流れ者の女」になりやすい。 し […]

◆激安デリヘルで働いていた彼女が顔半分を覆うマスクを取らなかった理由

野良犬の女たち 日本の最底辺で、どん底のような環境でもがいている女たちに会いたければ手っ取り早い方法がある。激安風俗で働いている女性に会うことだ。 男たちは「激安」が意味しているのは「安く快楽を満たせる」という観点からしか見ないのだが、私が日本の風俗に潜り込む前に「風俗とはどんなところなのか」をレクチャーしてくれたある雑誌ライターは、このような主旨のことを私に言った。 『風俗は女性の質と値段は比例 […]

◆歌舞伎町にいた沖縄の女性(2)「寒い」と言いながら東京で必死で働く

彼女は部屋に入って「寒いですねぇ」とゆったりした声で言って、私の顔をまじまじと見つめると「芸能人に似た人を見たことある」と言い出した。「思い出せないけど、似てる人知ってる」と彼女は笑う。 私が芸能人の誰かに似ているというのはない。今まで言われたこともない。だから、彼女の言っているのは、人間関係の距離を詰めるための一種の彼女なりの会話術だったのではないかと私は思った。 アクセントは、よく聞けば少し標 […]

◆歌舞伎町にいた沖縄の女性(1)沖縄出身の女性も当然そこに潜んでいる

野良犬の女たち 以前からずっと気になっていたことがある。「かんなみ新地」にいた沖縄の女たちだ。 兵庫県の尼崎には沖縄の人々がたくさん集まっていて、関西を代表する「ちょんの間」のひとつである「かんなみ新地」にも、沖縄から来た女たちが大勢いた。(ブラックアジア:尼崎(あま)の闇。未だに残るちょんの間「かんなみ新地」) 恐らく沖縄の女性は関西で様々な風俗に潜り込んでいる。その中のひとつに「ちょんの間」が […]

◆四国に潜む流れ者の女(2)彼女は東京で何をやってしまったのか?

四国・松山は夏目漱石の小説『坊っちゃん』で有名な道後(どうご)温泉を抱えているのだが、この道後温泉は道後温泉本館で入れるようになっていて、この建物が重要文化財になっている。 しかし、最近の若い人たちは小説『坊っちゃん』よりも、2001年に公開されたアニメーション映画『千と千尋の神隠し』のモデルになったのが道後温泉本館だったというので関心を持つのだという。 松山に行く前に「道後温泉というのは、そうい […]

◆四国に潜む流れ者の女(1)女たちの出稼ぎ先「松山」に行ってみた

野良犬の女たち 日本のアンダーグラウンドには「流れ者」の女がいる。風俗の「寮完備」の店を転々として日本の歓楽街を這い回ってソープランドやデリヘルやその他風俗の仕事に就き、決して一箇所に定着しない。 普通、女性は各所を転々とする流れ者的なライフスタイルは好まないと言われているのだが、そうではない女性もいたのだ。風俗の女たちの話を聞いているうちに、そうした女たちが大量にいることを知って、私は深い関心を […]

◆ストリート売春をしていた女性が「やっぱり止めます」と震えて言った

野良犬の女たち 新宿歌舞伎町はホストに狂った女たちが次々とビルから飛び降りたり、住吉会系の暴力団が入るビルに銃弾が撃ち込まれたりして、相変わらず物騒な街だった。そうした事件の現場をふらふらと通り過ぎながら歌舞伎町のホテル街を歩いていく。 夜になると冷たい風が吹きすさんで身も縮むような気温なのだが、なぜか歌舞伎町はいつもにも増して人が多いように見える。観光客も多いが日本人も多い。年末で飲み会が立て込 […]

◆日暮里に立つ野良犬の女(2)鈴木傾城がやらずボッタクリに遭う日

野良犬の女たち 私を見つめるこの女性は、まったく表情を変えず、ニコリともせず、無言でじっと私を見つめて、私が何者なのかを知ろうと考えているようだった。困惑しているようにも見えた。 私を警戒しているのだが怯えてはいない。恐らく、彼女がいつも相手にしている男たちと私は雰囲気がまったく違ったので、男が何者なのか分からずに当惑しているのだろう。 とは言っても彼女は野良犬の女だ。ストリートに立って男を待って […]

◆日暮里に立つ野良犬の女(1)ちょっとした違和感を感じさせるセンス

野良犬の女たち 東京でラブホテル街として知られているのは「鶯谷」である。(ブラックアジア:鶯谷で見た野良犬の女。女たちに声をかけて気づいた裏側の変化とは?) その次の駅が日暮里だ。日暮里もまた鶯谷ほどの規模ではないが、駅前にいくつものホテルが建っていてデリヘルを中心とした風俗の女たちが近くで待ち合わせしたりする姿を見る。 そして、この日暮里にもまた売春する女たちが立っている。 日暮里は駅の付近に外 […]

◆死にたくなって宇都宮。東京を離れた20歳の風俗嬢は生き残れるか(2)

野良犬の女たち 宇都宮で会ったこの20歳の女性は、厚い化粧にブロンドの髪にブランド物のバッグや小物を持っていたのだが、よく見ると表情はまだあどけないところが残っていて、「女性」というよりも「娘」と言った方が似合う年頃だった。 しかし、彼女はすでに「身体を売るビジネス」に関しては3年以上も経験がある。もう彼女は素人ではない。たった3年間で彼女はもう何百人もの男を知り、そして精神的にも消耗し、睡眠薬だ […]

◆死にたくなって宇都宮。東京を離れた20歳の風俗嬢は生き残れるか(1)

野良犬の女たち 宇都宮は栃木県の中核都市だが、人口は50万人以上もいて結構な規模の都市だ。上野から普通の電車に乗って向かっても2時間以内で着く。東北・北海道新幹線を使うと一時間もかからない。 とは言っても、東京県内で暮らしている人間には宇都宮はまったく行く用事もなければ関心もないはずだ。東京の人間が栃木県に行くと言えば、日光か那須に観光に行く程度でしかなく、宇都宮を好んで行く人はほとんどいないので […]

◆海を渡ってきた流れ者。新大久保にもまだタイ女性が立っていた(2)

野良犬の女たち 夜の新大久保の路地は、どこを歩いてもゴミの臭いが強い。普通のゴミではなく、ニンニクの強烈なゴミの臭いだ。 私が知り合ったばかりのタイ女性と歩いていると、向かい側から大きな声で叫ぶように韓国語を話している二人組の若い男と通りすがったのだが、彼らもまたニンニクの臭いをプンプンさせていた。 “Korean, many many”(韓国人いっぱいね) タイ女性が言っ […]

◆海を渡ってきた流れ者。新大久保にもまだタイ女性が立っていた(1)

野良犬の女たち 新宿歌舞伎町のラブホテル街を北に抜けると職安通りに出る。当の職安(職業安定所)は、もうすでに「ハローワーク」という名前に変わっている。以前、デリヘル嬢とここを歩いていた時のことを思い出す。彼女は通りかかったハローワークを指差してこのように言った。 「もう職安ってハローワークって名前に変わったんだから、職安通りもハローワーク通りにすればいいのにね」 私は笑って受け流したのだが、それが […]

◆町田にいた野良犬の女。スマートフォンが圏外になってストリート売春(2)

野良犬の女たち 中国人のストリート売春の巣窟になっている町田のラブホテル街だが、ここにも日本人の女性が静かに立っている。 そう言えば、まだ町田に「たんぼ」と呼ばれる小さな「ちょんの間」が密集していた時代も、ここには日本人のストリート売春をする女性が何人かいたのを思い出した。 その時にいたのは中年女性ではない。まだ未成年なのではないかとおぼしき、あどけない顔をした若い娘だった。後で知ったのだが、当時 […]