パリ18区に北隣しているサン=ドニ地区は、パリで最も古くからある都市として知られている。
ここはフランスの工業地帯として栄えていたのだが、工場労働者が集まってそこに住むようになると、次第にスラム化して低所得層の街へと変わっていった経緯がある。1960年代、このサン=ドニ地区はヨーロッパでも最大の工業都市だった。
汚染もひどく、古い建物も多く、環境は良くない。治安も悪い場所だった。そして、ここは夜になるともうひとつの顔があった。ストリートには売春する女たちが立ち並び、男たちを誘うのである。
大気汚染、低所得層向けの住宅、スラム、そして売春。かつてのサン=ドニ地区はそのような場所だったのだ。
ところで、このサン=ドニ地区を1984年から1992年までストリート売春する女たちを中心に撮った貴重な写真が残されている。いったい、サン=ドニ地区のストリート売春はどうだったのか。
堕落にまみれた男たちには目が釘付けになる魅力がある。