2017年5月30日。フィリピンのブスアンガ島で、ふたりの日本人が行方不明になった。ひとりは大阪府出身の井谷勝さん59歳。もうひとりは茨城県出身の新井康寛さん24歳。
このふたりは島を周遊するための小型ボートでブスアンガ島コロンから海に出て近隣の島々に向かったのだが、その後ホテルに戻って来なかった。
ブスアンガ島とその周辺は小さな島々がたくさんある場所なのだが、手つかずの自然を愛する欧米人もたくさんいて、秘かな観光地になりつつある場所だった。
このふたりは「観光」でこの島を訪れていたと当初は報道されていた。この島には何もない。しかし、美しい海がある。欧米人の多くはダイビング・スポットとしてこの島を訪れる。
ふたりが予定時間になっても戻らなかったことから、ホテルの従業員は事故があったと判断し、警察に通報した。恐らく、ダイビング中に何か事故があったのではないかというのが当初の予測だった。
ところが6月2日、衝撃的な結末が明らかとなった。
ふたりの遺体がホテルから西に40キロほど離れたガロック島で発見されたのだが、遺体は背後から撃たれてバラバラにされて海に捨てられていたのだった。