二十歳の頃に東南アジアの売春地帯を知ってから、私は真夜中の住民となった。以来、私は夜に起きてひとりでうろうろ街をさまよう生活を好むようになった。
どこでも真夜中をうろついている。東南アジアでもインドでもスリランカでも、果てはニューヨークでもメキシコでも、私は誰もいない真夜中のストリートをさまよい歩いて来た。
今でも、真夜中の街をうろつくのが止められない。
繁華街でも住宅街でも工場跡でも貧困スラムでも、私は真夜中を歩いて何かを探し求める。時々、売春をする女たちに出会うこともあるが、そうでないこともある。
絡みついてきた女性に興味が持てれば、私は彼女と一緒についていく。そのときは拒まない。それが私の人生だった。しかし、何もなければそれはそれで構わない。真夜中が好きだからだ。
日本では東京や大阪の歓楽街を歩くのが好きだ。倒れた酔っぱらい、水商売の女たち、呼び込み、チンピラ、ホスト、ホームレス……と、真夜中にお馴染みの人間が勢揃いして私を楽しませてくれる。
最近も午前3時の大阪道頓堀を歩いていたのだが、観光客が消えた素の道頓堀はこんな感じだった。