和彫りを背中から臀部にかけて広い面積で背負っている女性にはまだ私も数人ほどしか会っていないのだが、実際にその和彫りを見せてもらって、明らかにワンポイント・タトゥーとは違うそれに圧倒された。
私が気に入ったのは、大きな鯉を背負った女性だ。彼女の刺青は本当に艶めかしかった。
最近のタトゥーのデザインは多彩だが、日本に昔から伝統として彫られているものは、タトゥーとは言わずに刺青(いれずみ)と呼ぶ。
最近では、欧米のデザインのものとは区別するために「和彫り」という言い方もよくされる。
背中一面に、あるいは全身を覆い尽くすような広い面積にこの和彫りを入れた女性は昔から日本には一定数存在するのは知られている。
公的な統計は存在しないので、和彫りを背負っている女性がどれくらいの人数で存在するのかは分からない。しかし、それほど多くないというのは間違いない。
そのため、こうした女性が風俗にいる数もかなり少ない。私が把握できているのは20人ほどだが、日本全国すべて合わせても、もしかしたら100人に満たない可能性がある。(鈴木傾城)