
8月26日、鈴木傾城の新刊『圧倒的「病み垢」女子』が発売されます。前著『病み、闇。』で、リストカットをする女性、オーバードーズをする女性に何人もインタビューしたのですが、そのときに出会った女性に「やむやむさん」がいます。
彼女の人生は本当にオーバードーズ一筋で、オーバードーズが話題になるはるか以前からすでにオーバードーズをしていて、25歳のときはオーバードーズで自殺を図ったという女性でした。〝病み〟に関しては筋金入りと言ってもいいかもしれません。
あまりの〝病み〟ぶりに私は圧倒されるばかりだったのですが、いったい彼女のこの荒んだ精神構造は何が生み出したのだろうかと関心を持ち、以来、何度も何度も彼女にロングインタビューしています。
そして、彼女のこれまでの人生やオーバードーズを、余すところなく記したのが本書です。
圧倒的「病み垢」女子

病み垢とはいったい何なのか?
ところで、「病み垢」とは何かといぶかる人もいるかもしれません。「病み垢」とは、主にSNS上で「心の不調」や「マイナスの感情」や「弱み」を吐き出すことを目的としたアカウントのことを指します。
投稿内容はネガティブ寄りで、うつ状態や自己否定感、孤独感、恋愛や人間関係の悩み、さらには精神疾患にかかわる話題が多くを占めます。そんな中で、リスカ(リストカット)やOD(オーバードーズ)について語られたり、記録されたりしています。
こうした投稿に、同じ境遇にある人たちが共感を持ってつながっているわけです。ネガティブな感情でつながっている、とも言えます。世間ではリストカットやオーバードーズに共感したり、同意したり、許容したりすることは絶対にありません。
しかし、「病み垢」の中ではそうした共感があるわけです。そこでは、絶対に自傷に対する否定はない世界です。むしろ、自傷でつながり合う世界でもあるわけです。やむやむさんもまた、そうした世界の住民のひとりであり、オーバードーズやリストカットを繰り返してきた女性でもあるわけです。
彼女はオーバードーズを「人生そのもの」と語り、幻覚に心地よさを感じ、度重なる救急搬送にも「怖くない」と笑うような女性です。彼女の壮絶な半生には、機能不全家族での育ちがあったのですが、それも本書で詳しく取り上げています。
「人間、死にたいのが普通」と語り、いつインタビューしても彼女の言葉の端々には「死」がまとわりついていました。常に死を意識して生きているわけです。
彼女のオーバードーズは一過性の流行ではなく、まさに人生そのものだったと思います。そんな彼女にそれまでの人生を包み隠さず、赤裸々に語ってもらったのが本書です。圧倒的なまでに、「病み垢女子」だったと思います。
『圧倒的「病み垢」女子』、ぜひお読みください。
『圧倒的「病み垢」女子』目次
はじめに
うち、生きることに執着ないんで
第1章 [過剰摂取]
目を閉じると星が流れる
60錠から80錠を一気に飲む
ODしていたら幻覚で見える子がいる
ODしてるから正常に戻ってる
救急車に乗ったのは20回くらい
第2章 [試行錯誤]
1時間くらい吐いてた
これでやっと死ねっかな、みたいな感じ
自分を客観的に、もうひとりの自分が見てる
いろいろ試してメジコンに戻った
第3章 [ボーダーライン]
集中力が続かない
14歳にして、鬱病
聴覚過敏なのに、聞き取れない
出かけるときは鍵をかけない理由
第4章 [自殺志願者]
人間、死にたいのが普通
2回結婚していて2回離婚している
出会い系で知り合って1年くらいで……
会ったその日、彼は万引きしてた
絵に描いたような自滅型
ちょっと危ないからシェルター入ろうか
致死量レベルでオーバードーズ
第5章 [人体実験]
身体の中の邪悪なもの
瀉血、ピアス、タトゥー、首絞め
眠剤飲んでも、ぜんぜん眠れない
生きてて意味がないという感覚がある
人体実験してるなんて言われてたことがある
結局、病み垢界隈をさまよって生きている
第6章 [家庭崩壊]
生まなきゃ良かったと言われた
今日の分は、これでしのいでね
両親がパチンコに狂って家庭が崩壊
父親は逮捕、母親は死去
近親相姦
レイプ、そして中絶
第7章 [死ぬ計画]
血を吐いて助からなかった
亡くなったせどさんのこと
最後あたりは顔がパンパンに
リスカ以外に、アムカやレグカもある
どうやって死ぬか計画を練っている




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