ネパールには「生き神」がいるのはよく知られている。
満月のときに生まれた健康な身体を持った少女がひとり選ばれて「クマリ」という生き神に祭られて、初潮が始まるまで「生き神」の地位にある。
このクマリと呼ばれる生き神の少女は、仏教徒の少女から選ばれるのだが、クマリ自体はヒンドゥー教やネパールの密教の神であって仏教神ではない。
これがネパールの伝統であり、今も続いている。
クマリは世界的に有名になって、日本でもしばしばテレビで紹介されるので知っている人も多い。
真っ赤な衣装を着て、頭にも真っ赤な装飾を付けて、額にはヒンドゥー神でもお馴染みの「第三の眼」が模されている。
これはヒンドゥーの女神であるドゥルガーの化身を示すものであると言われているが、ドゥルガーはベンガル地方(コルカタ)で大きく祭られている神である。