増え続ける童貞や処女は、セックスが時代遅れであることを示す兆候?

増え続ける童貞や処女は、セックスが時代遅れであることを示す兆候?

文明の進化とは「肉体感覚を喪失させる方向」で進んでいることは以前から指摘されている。

肉体感覚の喪失は、都市化された文明の最先端で顕著だ。人々は歩かなくなった。車が普及し、交通が発達し、歩かなくてもよくなったからだ。

エアコンディションもまた肉体感覚を喪失させる。温度を一定化させることによって、肉体感覚を感じないようにしているのだ。

私たちはシャワーを浴びて清潔な状態を保ち、ふかふかのベッドで快適に寝ることができる。清潔な状態も、心地良いベッドもすべて、肉体感覚を喪失させるものであることに気付いている人はいるだろうか。

現代人は体臭を嫌うようになっているのだが、それもまた肉体感覚の喪失に邪魔なものだからだ。

医学の発達もまた肉体感覚を喪失させていくものだ。病気を消し、身体の痛みを消し、違和感を消し、症状を消す。医学はまさしく、肉体感覚を喪失させようとしている。

文明の方向性はすべて、肉体感覚の喪失を目指して突き進んでいる。(鈴木傾城)


プロフィール:鈴木傾城(すずき けいせい)

作家、アルファブロガー。政治・経済分野に精通し、様々な事件や事象を取りあげるブログ「ダークネス」、アジアの闇をテーマにしたブログ「ブラックアジア」を運営している。「鈴木傾城のダークネス・メルマガ編」を発行、マネーボイスにも寄稿している。

インターネットもまた、肉体感覚を喪失させるもの

インターネットも肉体感覚を喪失させるものだ。私がそれに気付いたのは、もうずいぶん昔の話になる。

1970年代、1980年代はまだインターネットはなかった。そして、1990年代は限られた一部の人しかインターネットをしていなかった。

情報は書籍から手に入れるしかなかったが、書籍の情報は有限で有料でとても偏っていて限られていた。つまり、情報がないのが当たり前の社会だった。

インターネットで何があるのか調べることもできなかったし、事前にホテルに予約するということもできなかった。

数十年前のバックパッカーのバイブルと言えば書籍『地球の歩き方』だったが、小さな字でびっしりと情報が載せられたこの書籍でも情報は完全とは言い難かった。

その書籍から少しでも外れたところに行くと、もう何の情報もなかったのだ。

海外放浪する若者はそこに何があるのか、どうなっているのか、自分の足で「冒険」するしかなかった。海の向こうは何があるのか誰も知らない。自分が行くしかないのだ。

かつての「放浪」は、本当に真っ暗闇を手探りで歩くような緊張感のあるものだったのだ。何しろ、何も分からないのだから、目をつぶって歩いているのも同然だったのである。

最初に着くのは国際空港のある大都市だが、そこから地方に向かえば向かうほど「次に向かうところはどんなところなのか」がまったく分からなくなる。

向かう過程も冒険だが、着いてからも冒険だった。ひとりで放浪していると、孤独も身に染みた。何をするにも自ら動くしかなく、逆に言えば、それが海外放浪の醍醐味だった。

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それがどんなところか分からなかった時代は終わった

醍醐味と言えば何かスマートな楽しみのような言葉になるが、実際は冷や汗と苦闘の連続である。何が起きるのか分からないのだから緊張して当然だ。

目的地にたどり着くまで、数限りなくトラブルが起きる。何と言っても、現地の言葉が分からない。

汽車もバスも来ないし、間違えたところに連れて行かれるし、料金は常に吹っかけられる。さらに、次から次へと素性の分からない人間がやってきては、詐欺や恐喝に巻き込まれる。

真夜中に現地に着くと誰もいないし、ホテルもどこにあるのか分からない。漆黒の闇の荒野に荷物を持ったまま、呆然と取り残されたりする。

私は二十代のはじめにタイ南部をくまなく回ったのだが、ローカルの列車に乗り、バスに乗ってどこかに行くと、一瞬で自分がどこにいるのか分からなくなった。

地図もない。電話もない。言葉も通じない。居場所も分からない。異国でただひとり、まったく知らない辺境にポツンと立って「ここで死んだら、もう終わりだな」と何度も思った。

こんなところで野垂れ死にしたら、適当にそこらに埋められて、忘れられて、自分という存在は最初から存在しなかったように葬り去られていくに違いないと何度も思った。

このシチュエーションにスリルを感じている自分もいたが、同時に心細くて弱気になっている自分もいた。

無謀だった。しかし、そういうのが旅だったので、世の中は自分中心に回っていないことを嫌でも知ることになる。世の中は、もがいて生きていくしかないのを悟る。

かつての放浪は、想像できないほどの忍耐と、達観と、トラブルに対処するための行動力が必要だった。強烈な体験だった。

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情報に依存することによって、肉体感覚を喪失する

しかし、今は違う。インターネットで何でも手に入る。行く前からホテルから現地の情報まで何でも見られる。事前予約もできる。つまり、冒険しなくてもよくなった。

家の中でインターネットに接続できれば、それだけでタイがどんなところなのか、香港がどんなところなのか、ナイジェリアや、ケニアがどんなところなのかすら分かってしまう。

だから現代人は何でもよく知ってる。特に、インターネットとテレビに依存している日本人は本当に物知りだ。

多くの人がスマートフォンを持ち歩いて、手の平でインターネットを操るようになっているのだから、この傾向はさらに加速していく。

私もまた他人事ではなく、インターネットを知ってから、昔とは違って知識ばかり増えた。そして、知識が肉体感と結びつかなくなっている。

現地に行かず、「あそこはこうだとネットに書いてあった」と頭だけで考えるようになった。動くのが億劫になり、よほど決意しないと知らないところには行きたくなくなる。

そして、実際に行かなくなる。

もしどこかに行くとしても、事前に情報を仕入れて行くようになる。情報は仕入れられるから、人間の心理として自然に情報を仕入れてしまうのである。

そのため、昔ほどの失敗はないが、自分で開拓したという肉体感覚に結びつかない。深い感慨もない。達成感がない。「たどり着いた」という感動もない。

感動とは大きな肉体感覚だ。それが失われて行くというのだから、情報の時代というのは、まさしく肉体感覚を喪失させるものだったと私は気付いたのだった。

1999年のカンボジアの売春地帯では何があったのか。実話を元に組み立てた小説、電子書籍『スワイパー1999』はこちらから

肉体感覚の喪失は、セックスすらも不要にしてしまう

知識を手に入れると、間違いなく時間の節約にはなる。

しかし、知識は増えても、肉体感覚は退化していく一方なので「どんなことが起きても生きていく能力」が失われている可能性はある。

あまりに情報に依存すると、どんどん肉体感覚が鈍って、感動する力が薄れていく。「肉体感覚」が喪失していくと、感動すらも消えていくのだ。

最近、日本の若年層だけでなく、世界中の多くの若年層が、かつてのように強く激しい性欲を感じなくなっていることが報告されている。30代、40代でも童貞、処女でいることが、それほど珍しくなくなってきている。(ブラックアジア:18歳から34歳までの独身者の42%が童貞の時代になった日本

これほどセックスにオープンな時代であるにも関わらず、若年層がセックスを避けるようになったのは、多くの理由が言われている。

実は性欲はすでにポルノで十分に満たすことが可能になり、もう生身の人間は要らなくなっている。

「テンガ」が売れているのを見ても分かる通り、マスターベーションのための器具も進化して、これらの器具やポルノを使うと、異性と付き合うという面倒なことはしなくてもよくなった。(ブラックアジア:アダルトビデオとテンガは、真夜中のハイエナを葬り去る?

リアルすぎるセックス・ドールさえ出現している。(ブラックアジア:セックス・ドールの女性器は驚愕するほど本物そっくりに

ポルノとは何かを考えると、これは紛れもなく「性行為の情報」であることに気付く人もいるはずだ。

ポルノが蔓延するというのは、性情報が蔓延するということであり、それによって異性との性行為をしなくても、ポルノで性欲を満たすことが可能になる。

情報化によって、性行為は「面倒なこと」になり、肉体感覚は喪失していく。つまり、セックスは要らなくなっていく。この傾向は仮想現実の進歩でさらに進んでいく。

仮想現実の中で、自分の理想だと思う相手を3Dで作ったり選んだりして、仮想の人格を与えて会話することすらもできるようになる。インターネットとビッグデータと人工知能によって、それはもう空想の話ではなくなったのだ。

グーグルも、アップルも、アマゾンも、「仮想現実が次のビッグマーケットだ」と考えて莫大な研究費をそこに注ぎ込んでいる。

文明の進化とは「肉体感覚を喪失させる方向」で進んでいるのだとすれば、性行為という肉体感覚すらも不要に思う現代人の感覚は、当然の動きだった。近い将来、「人間とセックスをしないのは当たり前だ」「仮想現実があるのに、人間とのセックスは非効率だ」と人々が思う日がくる。

信じられないだろうか。しかし、その動きはもう始まっているのだ。文明の進化は、どこまでも肉体感覚を喪失させていき、セックスですらも不要にしていく。増え続ける童貞や処女の存在はそうした事実を示している。これはセックスが時代遅れであることを示す兆候であってもおかしくない。

売春地帯や風俗で女たちを追っているハイエナは、時代遅れの産物だと思われる日がすぐそこまでやってきている。(written by 鈴木傾城)

 

文明の進化とは「肉体感覚を喪失させる方向」で進んでいるのだとすれば、性行為という肉体感覚すらも不要に思う現代人の感覚は、当然の動きだった。近い将来、「人間とセックスをしないのは当たり前だ」「仮想現実があるのに、人間とのセックスは非効率だ」と人々が思う日がくる。

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