『ブラックアジア 売春地帯をさまよい歩いた日々カンボジア編』や『小説 スワイパー1999 カンボジアの闇にいた女たち』で、ひとつの重要なキーワードとなっている売春地帯は、「スワイパー」という場所である。英字で書くと Svaypak となる。
カンボジアは貧しい国だったが、このスワイパーは1990年後期になると、2階建てのしっかりした建物が建ち並び、辺鄙な場所の村にしては金回りの良さが目に付いた。
売春ビジネスがこの村を潤していたのだった。
スワイパーは外国人には「リトル・ベトナム」と言われていたのだが、この村の住民はみんなベトナム人だった。売春女性もまたみんなベトナム国籍か、ベトナムからの移民だった。
この売春地帯はポルポト政権が崩壊した1979年以降、ベトナム移民が集まったところからスタートしている。
なぜ、この頃からなのかというと、カンボジアを支配していた狂気の集団であるポルポト政権が崩壊したのがこの年だからである。