閲覧注意
「売春女性が殺される」というのは、あまりにもありふれた事件過ぎて、殺され方がよほど特徴がない限り、ただの三面記事に載って数日後には忘れられるような、そんなちっぽけな事件でしかない。
なぜ売春女性の死がそんなに小さな、投げやりな扱いで終わるのかというと、まず言えるのは「彼女たちは社会的に重要な存在でも何でもない」という意識があるからだ。
これは、社会的に重要な人間の死が、たとえそれが老衰であっても、新聞の一面を飾るほど大きな「事件」として扱われるのと較べても分かる。
その人の社会的な重要性によって、あるいは社会に与えるインパクトによって、その死の重要性が測られる。売春する女性たちは、社会にとって重要ではなく、何のインパクトも与えない事件だと捉えられているのである。
レイプされ、絞殺され、全裸で沼に捨てられていたタイの売春女性も、社会からあっさりと無視されて終わった。