1945年8月6日午前8時15分、広島の上空で人類が作り上げた最も恐ろしい兵器「原子爆弾」が投下されて広島は壊滅した。
この時、広島の街は完全に焼け野原となり、16万人以上の人たちが死傷するという阿鼻叫喚の地獄が生まれた。人類史上初めての原爆投下だった。
広島が原爆投下の標的となったのは、この都市が当時は「軍都」だったからである。人口約35万人のうちの4万人が軍関係者であり、さらに軍需工場がいくつもあって、約1万人の関係者(挺身隊)がそこで働いていた。
8月6日の核爆弾によって、こうした軍事工場は壊滅したが、悲惨だったのは、女性、子供、老人の区別なく、全員がこの爆弾によって被害を受け、さらに原爆直下にあった街(中島地区)もすべて壊滅してしまったことだ。
この広島の壊滅的な破壊、続く長崎の核攻撃によって、日本は戦争遂行能力を失った。そして、1945年8月15日、昭和天皇の玉音放送によって戦争の終結が伝えられた。
今年は戦後70年となる。そんな歴史を感じながら、広島を歩いてみた。