初めてインドネシアの首都ジャカルタに降りたって、ジャラン・ジャクサという地区で宿を取った。
私は夜行性なので、真夜中になると街をうろつくのだが、インドネシアはタイと違って、夜になるとほとんどの店が完全に閉店してしまう。
しかし、食べることには困らない。なぜなら、「ワルン」と呼ばれる屋台があちこちに出ているからである。
結局、真夜中派の私はインドネシアで空腹になるたびに否が応でも屋台を転々とすることになるのだが、今でも忘れられないのが屋台のラーメン屋だ。
真夜中になると、こういった屋台には、客待ちに疲れた売春女性がだらしなく座って時間つぶしをしている。
そんな女性のひとりに声をかけられて屋台のプラスチックのイスに座ってラーメンを頼むと、正真正銘のインスタント・ラーメンが出てきたのである。