2015年10月13日に、タイ中部アントン県で84歳になる日本人男性が自宅寝室の2階でハサミで首などを刺されて死んでいるのを内縁の妻ポラニー・ナパドルが発見した。
殺されたのは兵庫県出身の吉岡和雄氏である。1996年にリタイアし、退職金をもらってタイに移住、日本とタイを行き来しながら内縁の妻ポラニー・ナパドルと暮らしていたという。
彼女は今年48歳になるので、年の差は36歳。仮に1996年から一緒に暮らしていたとすると、65歳のときに29歳の女性と知り合ったということになる。
リタイアし、36歳も年下の女性と一緒になり、悠久のタイでささやかに暮らす。幸せだっただろう。
アントン県はアユタヤ近郊で、バンコクからもそう遠くない。吉岡和雄氏はここで家を持っていたが、小豆色の外装のとても目立つ一軒家だった。
ここから300メートルほど離れた場所に内縁の妻ポラニーの母親が住んでいた。
事件が起きる1日前、妻ポラニーはその母親の家に泊まりがけで行っており、家には吉岡和雄氏ひとりだった。そこに、何者かが自宅侵入し、ハサミでこの84歳の日本人を殺した。