『地獄の季節』で有名な詩人アルチュール・ランボーはフランス人だが詩人を辞めた後はいろんな職業を転々としながらさまよい歩き、やがてアフリカで武器商人となっていた。
なぜアフリカだったのか。フランスもかつては「帝国」であり、東南アジアのカンボジアだけでなく、アフリカの北西部に植民地を持ち、そこでは多くのフランス人が進出してビジネスをしていたのだ。
当時のヨーロッパが競って世界の未開国に突き進んで植民地にしていったのは、言うまでもなく「略奪」で国家発展をするためだった。
ヨーロッパはいろんなものを略奪した。金・銀・宝石から、珍しい文化遺産、毛皮、植物、食物。植民地にした地域から「何を奪えるか」が帝国の重要課題であり、奪えるものが多ければ多いほど帝国は繁栄した。
最も徹底的に、かつ収奪的に奪っていったのはイギリスだが、フランスも後を追ってアフリカを次々と植民地化していき、そこから手に入れた略奪物資で国全体が豊かになっていった。
「植民地から奪えるだけ奪え」というのは国策だった。だから植民地には政府の統制の取れた軍隊とは別にランボーのような山師的な人間も大量に入り込んで現地に蠢いていた。そして、山師はアンダーグラウンドで手に入れていたものがあった。それは何だったのか。