アフリカのマラウイはあまり目立たないアフリカの小国だ。タンザニア、ザンビア、モザンビークに囲まれ、今にも消え入りそうな国である。
アフリカの大自然に囲まれたこの国は例によって貧困が蔓延し、平均寿命は54.72歳。この平均寿命の短さを見ても、いかにこの国で生きることが厳しいかが分かるはずだ。
それもそうだ。この国は世界どころかアフリカ諸国から見ても、最底辺をさまよう貧困国である。観光資源もない、天然資源もない、汚職も蔓延し、満足な仕事もない。エイズもあれば、様々な風土病もある。
そして、人々は部族間、村間の小さな共同体の中で暮らし、その共同体には独自の因習や風習がそっくりそのまま21世紀の現代に受け継がれている。
この貧しい国の南部ブランタイヤ県ンサンジェ地区に、人々から「ハイエナ」と呼ばれている奇妙な男がいる。特に裕福でもなく、ニワトリやヤギを放牧してホコリだらけの薄汚れた家に暮らす男だ。
しかし、人々から「ハイエナ」と呼ばれるこの男は普通の男ではない。この男は村の12歳の少女の処女をすべて奪ってきた男だった。親がこの男に「我が娘とセックスをしてくれ」と頼んでいたのである。なぜか。