現在のカンボジアの売春ビジネスの現場は、カラオケ屋やマッサージ・パーラーが主流なのだが、ストリート売春も増えていて、首都プノンペンの至るところでカンボジア女性たちが売春を誘っているようだ。
かつてはカンボジアの売春地帯はベトナム女性とカンボジア女性の半々だったのだが、今は若いカンボジア女性が売春ビジネスの主流となっている。
興味深いのは、その多くが「裁縫工場」に勤めているか、「裁縫工場」の女性であると言われていることだ。いったい、カンボジアの女性に何が起きているのだろうか。
実は、私がカンボジアにいた2000年前後からプノンペンには裁縫工場が林立するようになっていた。そして、この工場群が女性たちを大量に吸収するようになっていた。
この流れは10年かけてさらに拡大していき、今やカンボジアは裁縫工場が雇用の中心になり、この国の輸出の80%を占めるようになっていた。しかし、ここにカンボジアの新たな闇が生まれた。
いったい何が起きているのか。それは、お洒落な先進国の女性たちが、知らずしてこの国の女性を売春ビジネスに追いやる現実だった。「ファストファッション」が、カンボジア女性を地獄に追いやっていたのである。