巨大製薬会社のビジネスモデルというのは、新しい薬を開発して特許で固め、ライセンスが切れる20年近くの間をその薬で利益を上げるというものである。
先進国の人間が人生80年以上を享受できるようになったのは、こうした巨大製薬会社が多くの分野で薬を開発して寿命を延ばすことに成功したからでもある。
人間は誰でも怪我をしたり病気になるので、巨大製薬会社の薬に頼ったことがないという人は先進国ではほとんどいない。
薬が高くて金持ちだけしか使えないものがあるとか、ライセンスの問題で供給できない国があるとか、いろんな社会矛盾がそこに生まれている。
それでも巨大製薬会社が、人類にとって非常に重要な企業であり続けるのは間違いない。
しかし、こうした巨大製薬会社の基本的なビジネスモデルは2000年代あたりから難しいものになっていき、最近は機能しなくなりつつある。
これはファイザーやメルクと言った一企業の問題ではない。世界中のすべての製薬企業の問題だ。なぜ今までのビジネスモデルは機能しなくなりつつあるのか。